WRCをモチーフとしており、実在するラリーカーを操作し高順位あるいは経過タイムを競うもので、それまでの「ラリーゲームは売れない」というジンクスを払拭した、後のラリーゲームの元祖とも言える作品である。開発はセガ第3AM研究開発部が行い、プロデューサーは『マンクスTT スーパーバイク』(1995年)を手掛けた水口哲也、ディレクターは元ナムコ所属で『リッジレーサー』(1993年)の開発に携わった佐々木建仁、音楽は『バーチャレーシング』(1992年)を手掛けた光吉猛修が担当している。
稼働年月:1995/02
ジャンル:レーシングゲーム
プレイ人数:1~8人
基板:Model2
特徴
4ステージを連戦して1位を目指すモードのチャンピオンシップと練習用のプラクティスがあり、チャンピオンシップでは敵車が14台(前期型では15台)現れる。敵車のうち1位になるのは車種選択時に選ばなかった車種が選ばれ、プラクティスにも登場する。ツイン筐体であれば『デイトナUSA』と同じく対戦が可能である。グラフィクスの演出としてウインドウガラス上空の景色が映り込みが見られる。3Dと2Dの統合技術として、沿道の木や人物は板状の書き割りで表現されていて、カメラ視点に対して正面を向く。木は十字型の書き割りで向きは固定して配置される。この手法は『セガラリー2』でも用いられた。車両が跳ね上げる砂利のエフェクトは視点に対して正面を向く平面上のテクスチャアニメーション、自車外視点では断続的に発生させていた。車の挙動では、サスペンションの動きが表現され、ターマックステージではタイヤがスリップした際に路面に付くタイヤ痕が表現された。悪路走行時の砂利の音や水溜りを通過する際の音は実車よりサンプリングされたものを加工して使用された。
ゲームプレイ動画になります。
本作には「プラクティス」「チャンピオンシップ」の2つのモードがある。
「プラクティス」は、コースを1つ選び自車とCOM車1台の2台で並んだ状態からスタートし、タイムを記録するモード。
このモードのCOM車はそこまで速くなく、事実上のタイムアタックモードにあたる。
「チャンピオンシップ」は、3つのコースを順番に1周ずつ走りその間にCOM車を追い抜いて高順位を目指し、またその合計タイムを記録するモード。
プレイヤーは最後尾の15位*1からスタート。ゴール時の順位と残り時間が次のコースに引き継がれる。
残り時間はチェックポイント通過やゴールで加算されていく。残り時間が0になるとその時点でゲームオーバー。
車種は実在メーカーから許諾を受けて精巧に再現された2車種から選択する。ミッションはオートマティック・4速マニュアルミッションが選べる。
- トヨタ・セリカ GT-FOUR 1994年型
- 赤と緑の「カストロールカラー」を纏った、日本製のクーペ型ラリーカー。デルタよりも安定性は高いが僅かに曲がりにくい。
- 本作の開発時はまだ実車のラリーカーはテスト参戦するに留まっていた為、デザインもテストカー仕様に準じている。
- ランチア・デルタ HF インテグラーレ 1992年型
- 青と赤の「マルティニカラー」を纏った、イタリア製のハッチバック型ラリーカー。セリカよりも僅かに旋回力が高いが安定性に欠ける。
- アルコール広告規制が厳しくなかった時代である為、酒類製造会社のマルティニのロゴが規制無しで入っている。
- コースは4種類存在する。
- DESERT(1コース目・プラクティス3周)
- アフリカのサファリラリーをモデルとしたコース。全区間ダートで構成されているが急カーブは皆無で、最終コーナー以外はほぼアクセル全開で走れる。
但し中盤のチェックポイント後のカーブ・上り坂からの連続ジャンプスポット・シケインは、見通しが悪い上に車の姿勢を乱しやすいので侮れない。 - ゴール直前にはヘリコプターが後方から出現するが、好タイムで周ると追い抜いて姿が見えない為、音だけ聞こえるかどうかが速く走れたかの一つの目安になっている。
- アフリカのサファリラリーをモデルとしたコース。全区間ダートで構成されているが急カーブは皆無で、最終コーナー以外はほぼアクセル全開で走れる。
- FOREST(2コース目・プラクティス2周)
- 山間の森林を舞台したコース。ターマックからスタートし、序盤のトンネルを抜けてからはダートに乗り、再びターマックに戻って1周となる。
- コース序盤の微妙に波打っているカーブや、中盤から連続する直角コーナーをいかに直線的に抜けられるかがタイム短縮のカギ。
- MOUNTAIN(3コース目・プラクティス2周)
- 全区間ターマック(道路脇にダート有り)で構成された市街地コース。高低差があり、V字型コーナーを含む大角度カーブが点在する難コース。
- 順位に関係なくゴールすればチャンピオンシップは完走となるが、2位以下だとここでゲーム終了。
- LAKE SIDE(隠しコース・プラクティス2周)
- チャンピオンシップでMOUNTAINを1位でゴールすると走行可能な湖畔コース。プラクティスでは隠しコマンドを入力しなければ選択不可。
- 最後に相応しく、全区間ダートかつ道幅がかなり狭いブラインドコーナーが連続するという、1ミスも命取りな最難関コースになっている。
- このコースは記録には影響しない。チャンピオンシップモードでは完走・未完走や順位に関わらず、エンディングが見られる。
- DESERT(1コース目・プラクティス3周)
上記の隠しコースに関して
コース選択画面でギアを1→2→3→N→3と入力し効果音が鳴ったらブレーキを踏みつつマウンテンを選択
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